TPP―日台加盟の影響と展望

蘇顯揚 編
蘇顯揚、菅原淳一、李淳、鈴木英夫、渡邊頼純、伊藤信悟、宮嶋貴之、張瑀倢、張静貞、徐世勳、呂慧敏 著

本書是2016年10月22日由國立臺灣大學日本研究中心與財團法人中華經濟研究院日本中心假臺灣大學應用力學館國際會議廳舉辦「跨太平洋夥伴協定(TPP)論壇-台日加盟的影響與展望」,發表者在論壇結束後,依據發言內容改寫成文章,作為會議紀錄,並經外審編輯而成。

TPP縮小版的CPTPP大致維持原先TPP高品質、高標準、涵蓋範圍廣泛的大型自由貿易協定的精神。雖然CPTPP改由日本所主導,即使美國退出,但是CPTPP作為捍衛自由貿易精神、防制貿易保護主義擴散、避免低標準自由貿易協定興起的防波堤,在重建自由貿易主義新秩序方面,仍具有積極的意義。尤其是全球FTA大型化的趨勢已經形成,而目前也有多國表明加盟第二輪CPTPP的意願,美國也不排除重新加盟的可能性,CPTPP的後續發展值得關注。

2016年10月召開論壇時正值TPP達成協議,本書因此是根據TPP即將成立的前提來撰寫。雖然之後局勢改變,美國獨自退出,但是CPTPP在一年多之後的2017年11月,由美國除外的11個成員國於越南發表聯合聲明,宣佈就核心議題達成共識。

本書依據評審意見,部分強化CPTPP論述。CPTPP的影響力雖然不及TPP,但是它高標準的FTA精神並沒有改變。閱讀本書也可以達成「他山之石可以攻錯」的目的。尤其是本書作者們均是研究此一領域的一時之選,這也是本書最重要的價值。


本書は2016年10月22日に国立台湾大学日本研究センターと財団法人中華経済研究院日本センターが台湾大学応用力学館国際会議庁を借りて「環太平洋パートナーシップ協定(TPP)フォーラム-日台加盟の影響と展望」を開催し、発表者がフォーラム終了後、発言内容に基づいて文章を執筆し、フォーラムの記録とするとともに、外部審査を経て編集したものである。

2016年10月のフォーラム開催当時はちょうどTPP交渉が合意に達した時期で、そのため本書はTPPが近く成立することを前提に執筆された。その後情勢が変化し、米国が単独離脱したが、一年余り後の2017年11月にCPTPPが米国を除く11のメンバー国でベトナムにおいて共同声明を発表し、中心議題でコンセンサスが得られたことを宣言した。

本書は審査の意見を基に、CPTPPの論述を一部強化した。CPTPPの影響力はTPPには及ばないが、高いレベルのFTAの精神は決して変わっていない。本書を読めば「他山之石可以攻錯(他山の石、以って玉を攻むべし)」という目的が達成できるだろう。特に本書の執筆者は皆この分野の研究における最高の人選であり、これが本書の最大の価値である。

【編者簡介】
 
蘇顯揚(ソ ケンヨウ)
 
日本京都大學經濟學博士、中華經濟研究院國際經濟所研究員、中華經濟研究院國際經濟所所長。現任中華經濟研究院日本中心總顧問、國立臺灣大學兼任教授。主要研究領域為日本經濟、總體經濟、產業經濟。著有《東アジアの産業集積-地域発展と競争、共生》(共著、学術出版社、2010年11月)、《日本アベノミクスの概要とその影響》(共著、財団法人外貨市場発展基金会、2014年)、《東アジア情勢の変動とアベノミクスの影響》(共著、台大出版中心、2015年12月)等。
 
京都大学経済学博士、中華経済研究院研究員、国際研究所所長を経て、現在中華経済研究院日本センター総顧問、国立台湾大学兼任教授。主要な研究分野は日本経済、マクロ経済、産業経済。著書に『東アジアの産業集積-地域発展と競争、共生』(共著、学術出版社、2010年11月)、『日本アベノミクスの概要とその影響』(共著、財団法人外貨市場発展基金会、2014年)、『東アジア情勢の変動とアベノミクスの影響』(共著、台大出版中心、2015年12月)ほか。
 

序章 自由貿易の挑戦/蘇顯揚
第一章 TPPの意義と今後の展望―FTAAP構築に向けて―/菅原淳一
第二章 TPPの前途及び台湾にとっての意義/李淳
第三章 TPPの動向と日台EPAの可能性について/鈴木英夫
第四章 国際貿易の政治的構造とTPPの行方―日本産業界へのインパクトー/渡邊頼純
第五章 中韓FTAが日本.台湾に与える影響―対中輸出への影響を中心に―/伊藤信悟.宮嶋貴之
第六章 TPP加盟による台湾農業セクターへの経済的影響の分析/張瑀倢・張静貞.徐世勳
終章 自由主義の新たな秩序の再構築/呂慧敏.蘇顯揚

参考文献
付録 環太平洋パートナーシップ(TPP)協定フォーラム日台加盟の影響と展望(プログラム)
人名索引
事項索引
編集者略歴
執筆者略歴

序章 自由貿易の挑戦(抜粋)
 
蘇顯揚(中華經濟研究院日本中心總顧問)
 
200年前の1817年にイギリスの経済学者リカード(Ricardo, 1772-1823)は「比較優位の原理(Law of Comparative advantage)」を提唱し、それが貿易理論の最も基本的な概念となった。リカードは古典派経済学者の中で最も影響力のある人物の一人ともなっている。彼の理論の柱は、一国は自国が比較的有利な商品の生産に専念し、国際貿易を通じて自国が比較的不利な商品と交換すれば、双方に利益があるというものである。これは分業の概念であり、分業も生産効率を高めることができ、産業チェーンを形成するという概念である。スマートフォンの国際分業が明確な事例である。
 
他方、1929に年ごろ発生した世界大恐慌(Great Depression)の原因の一つは、保護貿易主義であり、それが第2次世界大戦の原因となったと考えられている。そのため、自由貿易をもう一度推進するため、関税及び貿易に関する一般協定(General Agreement on Tariffs and Trade, GATT)が1948年に正式に発効し、1994年のウルグアイラウンド交渉ではGATTに代わり、世界貿易機関(World Trade Organization)が設立された。2001年にカタールの首都ドーハ(Doha)で開催された第4回WTO閣僚会議では、新ラウンドの多角的貿易交渉が開始されたが、残念ながら合意に達せず、さらに2008年7月29日には交渉が決裂したことが正式に宣言された。このような背景の下、各国は地域の大型の自由貿易協定(FTA)に積極的になり、環太平洋パートナーシップ協定(The Trans-Pacific Partnership, TPP)や東アジア地域包括的経済連携(Regional Comprehensive Economic Partnership, RCEP)、さらに大西洋横断貿易投資パートナーシップ協定(Transatlantic Trade and Investment Partnership, TTIP)が相次いで進展した。その中で、台湾と日本に最大の影響を及ぼすのがTPPとRCEPである。
 
台湾はその特殊な政治的地位により、WTOを除き、国際連合組織及びその付属組織に加入できない。このため、関連情報から疎外されないよう、友好国からの国際情報は台湾の経済貿易政策にとり参考価値が極めて高い。一方、日台の間には極めて緊密な経済貿易関係があり、台湾の対内投資件数から見ると、日本は台湾にとって最大の投資国でもあり、米-日-台の経済貿易三角関係の中ではさらに重要な地位を占めている。また、日本はTPPの重要なメンバー国でもあり、TPPの交渉過程において、日本の交渉方法には台湾が学ぶべきところがある。台湾は将来の交渉時にはTPPに加盟することを積極的に模索すると表明している。日本もかつてTPPへの加盟が日本の各分野にもたらす影響を評価し、全体的な制度面での改革を推し進めてきた。「他山之石可以攻錯(自分を磨くために他人の意見を役立てる)」ため、2016年10月22日に国立台湾大学と財団法人中華経済研究院は「TPPフォーラム-日台加盟の経験と影響」を共催し、日台双方の学者・専門家を招きてご研究を深めてきた。本論文集はそのフォーラムの報告集である。現在TPPは新しい「環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(Comprehensive and Progressive Agreement for Trans-Pacific Partnership;CPTPP)」となっている。米国が離脱しているものの、CPTPP11の国々は依然として台湾の対外貿易総額の四分の一超を占めており、台湾が地域経済統合に参加する上でカギを握る自由貿易協定である。したがって、本論文集の出版は、現段階にあっても大きな意義がある。
 
一、TPPの重要性
 
TPPの源流は2006年のニュージーランド、シンガポール、チリ、ブルネイにより成立した「P4協定」にあり、その後、米国、オーストラリア、ベトナム、ペルーが加盟して8か国となって、TPP協定交渉が開始した。日本は2013年7月に加盟に参加し、TPP12か国中最後の交渉参加国となった。米国と日本の加盟により、TPPは世界のGDPの四割近くを占め、世界の総貿易量の四分の一を超え、世界のFTA協定の中では大型で影響力を具えた多国間自由貿易協定(FTA)であったと言える。
 
TPPは高水準の協定で、21世紀の基準と規範を確立した画期的なFTAであったと言える。TPPの関税の減免または投資・貿易規範に関する措置はすべてFTAの延長線上にあると見なせるが、率直に言って、減免措置が適用される関税項目は極めて多く、関税の減免措置項目が全項目に占める比率である「自由化率」で見てみると、95%以上に達する必要がある。ちなみに、RCEPで約80%である。しかも、日本を除く米国、ベトナム、オーストラリア、シンガポール等その他8つのTPP加盟国の自由化率はいずれも100%に達し、カナダ、メキシコ、ペルーの自由化率も99%に達している。日本の自由化率だけが95%である。
 
TPPの内容は合わせて30章に分かれ、各分野の規範と措置をはじめ、その範囲は極めて広い。貿易、投資等の一般的なFTAにもある規定のほかにも、国境を越えたインターネット取引の分野、国営企業を単独で優遇することを制限する国有企業の規範と措置、それに環境保護の規範と措置、サービス貿易、知的財産権、政府の行為の透明化、金融サービス、ビジネス入国または技術貿易、民間企業の商業活動範囲の拡大等々があり、TPPの規範と措置はWTOのと比べてさらに広範で厳格になっており、TPPは高い基準の大型FTAである。
 
TPP協議の合意までにかかった時間は相当長く、2年余にわたる交渉は最後の最後にようやく各方面からの譲歩を引き出すことで合意に達した。例えば、自動車関税と農業開放は米・日両国の交渉の中心テーマであったし、バイオ医薬品の特許保護期間も争議の焦点であった。乳製品、砂糖等の項目もいくつかの先進国が攻防を繰り広げる重点項目であった。TPP発効後は関税が下がり、消費者は海外のより廉価な商品を手に入れることができるが、国内の生産者は廉価な輸入品との競争に直面することになり、できる限り早く自国の生産力を向上させる必要がある。このため、原料の取得、生産製造の委託、それに流通経路の構築等、元の生産工程を変更する可能性もある。もちろん、自由貿易体制は加盟国がウィンウィンとなる機会を創造することを原則とし、一方的に一国のみが利益を享受するものではない。カギになるのは国境という障壁を取り除いた後、国内の体制が輸入品との競争に対応できるかどうかであり、これには政府および個々の企業の努力が必要である。
 
2016年2月4日にニュージーランド・オークランドでのTPP閣僚会合で調印が行われ、2年以内にTPPの全メンバー国のGDPの85%を占めるメンバー国の認可手続きを完成させ、発効する必要がある。しかしTPP合意国の中で世界最大の経済体である米国のトランプ新大統領が誕生し、2017年1月24日にTPPからの離脱を宣言した。ただし、世界第三位の経済体である日本は2016年12月10日にTPP協議を国会で通過させたており、日本の安倍首相は依然として米国のトランプ政権を説得してTPPを推進する立場を堅持した。こうして、米国抜きのメンバー国によるTPPの推進や日米FTAの強化、WTOの枠組み下におけるFTA推進への変更等の代替方案が話し合わ、2017年11月に大筋合意した。2018年12月には、発効する。
 
自由貿易の意義から見ると、TPPは国際分業の一環を成し遂げており、米国から見てもTPPは北米自由貿易協定(NAFTA)以降、重要な貿易協定であると言える。TPPの特色は加盟国の地理的位置が極めて分散していることで、WTO組織下で1996年のシンガポール閣僚会議時に調印された情報技術協定(Information Technology Agreement;ITA)に類似している。この29のメンバー国の閣僚が宣言する方式で発起した協定の中心は情報技術製品の減税方案であり、その後ITAメンバーは拡大を続け、しかも80を超えるメンバー国の中には米国、日本、台湾、韓国、中国、インド、EU等の重要なメンバーが含まれる。
 
TPPの経済学上の根拠となるのは比較優位の原理であり、比較優位の原理は現在急激なグローバル化により急速に出現してきたグローバル・バリュー・チェーン(Global Value Chain;GVC)にも適用できる。GVCは製品の製造過程を細かく分業するため、多くの国がコンポーネントの生産に携わり、最終製品に組み合わされる。
 
スマートフォンでを例にあげる、台湾、米国、日本、ドイツ、韓国、シンガポール、中国等が製造過程において重要な役割を担っている。例えば台湾の致伸科技はデジタルカメラ、鴻海はIC、新興電子はプリント回路基板、韓国のサムスン電子はCPU、米国のブロードコム(Broadcon)はタッチパネル、中国深圳の組立工場等が生産の各段階の付加価値機能を果たしている。GVCが順調に運営できているのは情報通信技術が急速に進歩を遂げたからである。GVCでは国境を越えて数十社ないしは数百社のサプライヤーが細かく分業を行っており、GVCによる分業を形成している。また、WTOも各国に関税及び非関税障壁を引き下げさせるのに尽力し、その功績は極めて大きい。このほか、これらの細かな分業生産に携わっている企業がいずれもITAのメンバー国の企業であることも重要な原因の一つである。関税及び非関税障壁の撤廃は確実に新たな多くのビジネスチャンスを世界中に創造する。これが自由貿易の本質である。GVCが急速に増加する中、TPPを支える比較優位の法則と対照させることが重要である。
 
二、日本のTPP加盟の進展
 
日本の自由貿易協定に対するスタンスは、一般的にWTOにおける多国間FTAを重視するというもので、二国間FTAはどちらかというと排除してきた。しかし、WTOドバイ会合で交渉が決裂したことに加え、日本の自由化率がその他の競合国に比べて低いという状況下において、日本も二国間FTAの交渉に積極的になった。日本はFTAを関税の引き下げに限定せず、FTAに投資、政府買付、知的財産権、人材移動等を加え、単に二国間の貿易障壁を撤廃するだけでなく、さらに二国間の経済連携関係の強化を強調することになる。このため、「経済連携協定(EPA)」という言葉を使用している。二国間または多国間のFTAはWTOの多国間交渉に抵触せず、進展のないWTOの補完措置であるとも言える。 
 
日本は2002年にシンガポールとの間で初のEPAを締結し、2016年末までに、TPPを除いて、15の二国間EPAを締結している。複数の二国間EPAが交渉中である。日本貿易振興会(JETRO)の統計によると、2016年6月末までの日本のFTAカバー率は22.7%で、米国の39.6%、カナダの70.9%、韓国の67.3%、ASEANの60.3%、さらには中国の29.0%と比べて低い。日本政府はTPP等への加盟に加えてEUとの交渉を通じてFTAカバー率を大幅に引き上げ、早急に追いつくよう希望している。ただし、米国のトランプ政権がTPPからの離脱を宣言したため、日本は安倍政権が掲げた2018年に日本のFTAカバー率を70%にするという目標は恐らく達成はできない。日本政府は日米二国間貿易交渉を開始する可能性はほとんどないが、米国が加盟しないTPPを主導することで、WTO体制下において真に自由で開放された体制を再現することが可能である。
 
自由貿易は確かに産業競争力を高める。自動車産業を見てみると、日本の自動車産業は、近年盛んになってきた韓国の自動車産業とかなりの競合状態にある。販売市場を見ると、韓国はEUとFTAを締結しているが、メキシコとはFTAを締結していない。逆に、日本はEUとはFTAを締結していないが、メキシコとはFTAを締結していて、日・韓自動車の両地域への輸出額の成長には明確な変化が見られる。日本のメキシコへの自動車輸出はその成長幅が韓国よりも大きいが、韓国のEUへの自動車輸出はその成長幅が日本よりも大きいのである。 
 
ただし、日本企業は、確かに当初、日本と他国とのFTA締結に意欲的ではなかった。その主な原因は輸出企業がグローバル化という情勢下において、すでに輸出市場で現地生産に向かっていたことに加え、FTAが原産地証明を必要とし、関税率の高くない製品は最恵国税率を利用した方がFTA税率を利用するよりも有利になる可能性もあったからである。最も重要なことは、農産品の開放が日本政府にとって最も頭の痛い課題であり続けてきたことである。特にいわゆる5大岩盤農産品と言われるコメ、牛肉、豚肉、乳製品、砂糖類がそうであった。このため、そこから派生した586の製品は、日本国内で開放反対の声が極めて大きく、たとえ日本政府が科学的根拠に基づき計算したデータを示し、農産品の開放は害より利が大きいと繰り返し強調しても、否定できないのは農家が打撃を受けることを避けられないという部分である。TPP加盟交渉の際、農産品の他、医療分野も官民対立の焦点であり続けた。このことは、これまで日本政府が二国間FTAに消極的な態度を取り続けてきた原因でもある。
 
米国の態度も日本のFTAに対する考え方の転換に影響を与えた要因の一つである。米国国内の政策の変化に加えて日米関係の進展、経済のグローバル化がすべて日本の国内政策の方向と変化に影響している。加えて、日本は地政学上、アジアの新興勢力の台頭を傍観できない。例えば、アジア通貨危機の際、日本経済の衰退はアジア通貨危機に更なる悪化をもたらし、日本経済の改善はアジア経済の引き上げに不可欠な貢献をした。これらが日本のFTA政策に対する態度に変化をもらたした。
 
三、台湾のTPPの苦境
 
台湾はWTOのメンバー国であるが、政治的要因で制限されることから、締結済のFTAのカバー率は10%に満たない。中南米諸国との二国間FTAの締結が中心で、シンガポール、ニュージーランド、それに中国大陸との両岸経済協力枠組協議(ECFA)アーリーハーベストを加えても、FTAカバー率は9.69%しかなく、台湾製品は国際市場での競争において不利な立場に置かれている。これは台湾が積極的にTPPへの加盟意欲を表明する原因である。TPP加盟により、さらには東アジア地域包括的経済連携(RCEP)への加盟を表明し、それにより台湾経済の立場上の苦境を乗り越えることを希望している。ただし、RCEPは中国大陸が主導しており、しかも国であることが加盟条件であることから、台湾の困難度はさらに高く、TPP加盟が台湾の最も重要な目標となっている。特に米国、日本が台湾の加盟を期待するとの楽観的な態度を相次いで表明した後は、台湾の官民いずれもがTPP加盟推進に力を注いでいる。